車両系建設機械(整地等)学科試験の練習問題30問(解説・根拠つき)

車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の学科試験は、「走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」(4時間)「作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識」(5時間)「運転に必要な一般的事項に関する知識」(3時間)「関係法令」(1時間)の4科目です(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習規程 昭和47年労働省告示第112号)。合格の基準は告示に書かれていないので、受ける講習機関で確かめてください。

このページの問題は、法令・告示や厚生労働省の資料などをもとに作った練習問題で、実際の試験問題ではありません。根拠は2026年10月26日に確かめています。

学科試験の科目と時間は?

学科講習は4科目・合計13時間です。大型特殊免許を持っている人、自動車の運転免許があり3トン未満の車両系建設機械の運転を3か月以上した人、不整地運搬車の技能講習を修了した人などは、「走行に関する装置」の4時間と走行の操作が免除されます。3トン未満の運転を6か月以上した人は、走行の操作だけが免除されます(規程第3条)。

科目(告示の名前)時間このページの問題
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識4時間8問
作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識5時間9問
運転に必要な一般的事項に関する知識3時間7問
関係法令1時間6問

試験の形式や、講習所が案内している合格の基準の例は学科試験の4科目と出やすいところにまとめています。

各問題の「答えと解説」を開くと、正解と解説、根拠(条文や資料)が見られます。

走行に関する装置の問題(8問)

  1. 問1車両系建設機械の原動機について、正しいものはどれか。

    1. 主にガソリンエンジンが使われ、大型の機械に限ってディーゼルエンジンが使われる
    2. 必ず内燃機関を使うことになっており、電動機で動く車両系建設機械はない
    3. ディーゼルエンジンの燃料には灯油を使い、軽油を使うことはない
    4. 主にディーゼルエンジンで、小型や特殊な機械にはガソリンエンジンもある
    答えと解説

    正解:4 主にディーゼルエンジンで、小型や特殊な機械にはガソリンエンジンもある

    補助教材2.1では、車両系建設機械の原動機は主にディーゼルエンジンで、小型のものや特殊なものにはガソリンエンジンを使うものがあり、内燃機関の代わりに電動機を使う機械もあるとしています。ディーゼルエンジンの燃料は軽油です(補助教材の表2-1)。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 2.1 原動機(p.12)/厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 2.1.1 ディーゼルエンジンの構造 表2-1 ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの対比(p.12)

  2. 問2車両系建設機械の油圧装置のしくみについて、正しいものはどれか。

    1. 油圧ポンプはエンジンで回され、作動油を高圧で送り出す
    2. 油圧シリンダは、作動油を高い圧力にして油圧ポンプへ送り出す
    3. 作動油タンクで、作動油の流れる方向と流量を切り替える
    4. 仕事をした作動油はタンクに戻らず、外へ捨てられる
    答えと解説

    正解:1 油圧ポンプはエンジンで回され、作動油を高圧で送り出す

    補助教材の図2-10では、エンジンで駆動される油圧ポンプが作動油を高圧で送り出し、制御弁を通った作動油で油圧駆動装置(シリンダやモーター)が油圧を機械の力に変えて仕事をし、低圧になった作動油は作動油タンクへ戻る流れが示されています。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 2.2.1 油圧装置 図2-10 油圧装置の機構の概要(p.14)

  3. 問3クローラ式トラクターの走行装置で、起動輪と呼ばれる部品はどれか。

    1. アイドラ
    2. トラックローラ
    3. スプロケット
    4. キャリアローラ
    答えと解説

    正解:3 スプロケット

    補助教材の図3-1では、スプロケットを起動輪、アイドラを遊動輪、トラックローラを下転輪、キャリアローラを上転輪としています。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 3.1.1 クローラ式トラクター 図3-1 クローラ式トラクター構造の例(p.15)

  4. 問4ホイール式の車両系建設機械で、タイヤの空気圧が低すぎるときに起こりやすいこととして、正しいものはどれか。

    1. タイヤがつぶれてたわみによる熱が大きくなり、はく離を起こす
    2. タイヤの中央部だけが地面に当たり、その部分が早くすり減る
    3. 軟らかい地盤で土の中に深く沈み込み、けん引力が落ちる
    4. 小さな岩の角に当たっただけでも、タイヤに傷がつきやすくなる
    答えと解説

    正解:1 タイヤがつぶれてたわみによる熱が大きくなり、はく離を起こす

    補助教材の表3-2では、空気圧が低すぎると、タイヤがつぶれてたわみによる発熱が大きくなりはく離を起こす、両端が接地して早く摩耗する、硬い路面で抵抗が大きくなりけん引力が落ちる、としています。中央部だけの摩耗、軟弱地での沈み込み、岩角による傷は、空気圧が高すぎるときに起こりやすいことです。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 3.1.2 ① タイヤの空気圧 表3-2 タイヤの空気圧(p.17)

  5. 問5エンジンを始動する前の基本操作として、正しいものはどれか。

    1. 燃料レバーを最も高い回転の位置にして、エンジンを始動しやすくしておく
    2. 変速レバーと作業装置レバーを中立、油圧ロックレバーをロック位置にする
    3. パーキングブレーキを外して、すぐに発進できるようにしておく
    4. 主クラッチレバーを「入」にして、動力がつながった状態にしておく
    答えと解説

    正解:2 変速レバーと作業装置レバーを中立、油圧ロックレバーをロック位置にする

    補助教材4.1.1は、始動前に変速レバーと各作業装置レバーを中立、油圧ロックレバーをロック位置にし、主クラッチレバーは「切」、燃料レバーはローアイドリングにして、パーキングブレーキがかかっていることを確かめ、シートベルトを締めるとしています。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 4.1.1 エンジン始動前(p.21)

  6. 問6パワーシフト式の機械が走行中、急に負荷が減って速度が上がりやすく、速度を落とす必要がある場面はどれか。

    1. 坂を上り始めたとき
    2. 坂を上りきったとき
    3. 平らな所を一定の速さで走っているとき
    4. 重い土を押しながら、平らな所を進み始めたとき
    答えと解説

    正解:2 坂を上りきったとき

    補助教材4.2.2は、坂の頂上に上がりきった瞬間、崖の縁で土砂を落とした直後、積込みのためダンプトラックに近づくときなどは、負荷が急に軽くなってスピードが出やすいので、速度を落とすよう求めています。坂の上り始めや押土の開始は、逆に負荷が増える場面です。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 4.2.2 走行中 1 一般的注意事項 図4-2(p.23)

  7. 問7トラクター系建設機械で坂を下りるときの扱いとして、正しいものはどれか。

    1. 短い坂であれば、クラッチを切って惰性で下りてもかまわない
    2. 変速レバーを中立にして、走行用ブレーキだけで速度を調整しながら下りる
    3. 急坂では低い速度段を使い、走行用ブレーキとエンジンブレーキを両方使う
    4. 高速段に入れて、できるだけ短い時間で坂を下りきるようにする
    答えと解説

    正解:3 急坂では低い速度段を使い、走行用ブレーキとエンジンブレーキを両方使う

    補助教材4.2.3によると、下り坂では距離が短くてもクラッチを切って惰性で下りてはいけません。急な坂では低い速度段を使い、走行用ブレーキとエンジンブレーキの両方を効かせて下ります。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 4.2.3 登・降坂、その他 1 トラクター系建設機械(p.25)

  8. 問8液口から補水できる鉛蓄電池(液面にH・Lの表示があるもの)で、液が減ったときの補充について、正しいものはどれか。

    1. 液面がHより上になるまで、希硫酸をたっぷり補う
    2. 液面はLより下に保つ方がよいので、補充はしない
    3. 各室の液面の高さは、そろえずにばらばらでよい
    4. 液面がHとLの間になるよう、蒸留水を補う
    答えと解説

    正解:4 液面がHとLの間になるよう、蒸留水を補う

    補助教材9.5.3によると、補充するのは蒸留水で(希硫酸は足さない)、液面をH〜Lの間に収め、入れすぎず、各室の液面の高さをそろえます。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 9.5.3 バッテリの取扱い(p.110)

作業装置と作業方法の問題(9問)

  1. 問9作業装置のバケットを下向きに取り付け、主として機械が置かれた地面より下の掘削に用いられる機械(いわゆるバックホウ)はどれか。

    1. ドラグ・ショベル
    2. パワー・ショベル
    3. トラクター・ショベル
    4. モーター・グレーダー
    答えと解説

    正解:1 ドラグ・ショベル

    バケットを下向きに付け、地表より下を掘るのがドラグ・ショベルで、バックホウとも呼ばれます。パワー・ショベルはバケットを上向きに付けて地表より上を掘る機械、トラクター・ショベルは積込み・運搬用、モーター・グレーダーは整地・仕上げ用の機械です。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 1.1.2 掘削用機械(p.8)

  2. 問10補助教材の「安全運転の心得」で、作業を中止したり終えたりして運転席を離れるときの措置として示されているものはどれか。

    1. エンジンは止めるが、次の運転者のためにキーは差したままにしておく
    2. すぐ作業に戻れるよう、アタッチメントは地上から少し浮かせておく
    3. 短い時間なら、エンジンを止めずに席を立ってよい
    4. 作業装置を下ろし、エンジンを止めてキーを抜き、保管する
    答えと解説

    正解:4 作業装置を下ろし、エンジンを止めてキーを抜き、保管する

    補助教材の安全運転の心得では、エンジンを動かしたまま席を立たないこととし、作業を中止・終了したときは、作業装置を地面まで下ろし、クラッチを切り、ブレーキをしっかりかけたうえで、エンジンを止めてキーを抜いて決めた場所にしまうよう示しています。キーを差したままでは、ほかの人が勝手に動かすおそれがあります。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 8.1 安全運転の心得 1 ⑦⑧(p.99)

  3. 問11ブル・ドーザーで斜面を登り降りするときの方法として、原則となるものはどれか。

    1. 斜面を斜めに横切りながら、少しずつ高さを変えていく
    2. 急な斜面は、後進で登り、前進で降りるようにする
    3. 斜面の途中でいったん横向きになってから登り降りする
    4. 斜面に対して直角の向きで、まっすぐに登り降りする
    答えと解説

    正解:4 斜面に対して直角の向きで、まっすぐに登り降りする

    斜面は、斜面に対して直角の向きでまっすぐ登り降りするのが原則です。急な斜面を後ろ向きで登る、前向きで降りるといった運転は避けます。斜めに横切ったり途中で横を向いたりすると、横転しやすくなります。ただし補助教材は、どうしても急な斜面を降りなければならないときに限り、後ろ向きに降りるか、ジグザグに向きを変えながら降りる方法も示しています。原則は直角に登り降りすることです。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 6.1.1 ブル・ドーザー 2 基本作業 ①b(p.43)

  4. 問12誘導者の合図がはっきりしなかったときの運転者の対応として、正しいものはどれか。

    1. 機械をいったん止めて、合図の意味を確かめる
    2. それまでの作業の流れから判断して運転を続ける
    3. 警笛を鳴らしながら、ゆっくり運転を続ける
    4. 近くにいる別の作業者の合図に従って運転する
    答えと解説

    正解:1 機械をいったん止めて、合図の意味を確かめる

    建設機械は原則として、責任者から指名された合図者・誘導者の合図で運転します。不明確な合図のときは必ずいったん止めて確かめ、見込み運転や合図なしの運転はしません。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 8.2 合図、誘導の要領(p.101)

  5. 問13油圧式ショベル系建設機械の運転者が運転席を離れるときに、ロックレバーを操作する目的として、正しいものはどれか。

    1. 上部旋回体が傾斜地で自重により回り出さないように、旋回を止める
    2. 操作用のパイロット圧を断ち、作業装置が動かないようにする
    3. 走行モーターを止め、機体が斜面を下って逸走しないようにする
    4. ブームが後方へ倒れないよう、ブームの角度を一定に保つ
    答えと解説

    正解:2 操作用のパイロット圧を断ち、作業装置が動かないようにする

    ロックレバーを引くと操作用パイロット圧がカットされ、作業装置が作動しなくなります。上部旋回体の自然な旋回を防ぐのは旋回駐車ブレーキ、ブームの後方転倒を防ぐのはブーム倒れ止め装置で、それぞれ別の装置です。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 5.2.3 安全装置等 ①ロックレバー(p.36)/厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 5.2.3 安全装置等 ②③(p.37)

  6. 問14登坂用具(道板)を使って建設機械をトレーラに積み込むときの登坂角度として、補助教材が示す目安はどれか。

    1. 25度以下
    2. 15度以下
    3. 35度以下
    4. 45度以下
    答えと解説

    正解:2 15度以下

    道板は荷台に確実に掛け、登坂角度を15度以下にします。角度が急になるほど、登る途中や荷台に乗り移るときに機械が不安定になり、転落のおそれが大きくなります。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 6.5.1 積込み、積おろし 2 ④(p.88)

  7. 問15建設機械を後進させるときの心得として、正しいものはどれか。

    1. 後方は見えにくいので、確認は省いて速度を上げて済ませる
    2. 後進は短い距離なので、誘導者がいてもその指示は待たない
    3. 周囲に人がいないか確かめ、警笛を鳴らしてから後進する
    4. 警笛を鳴らしておけば、後方を確かめずに後進してよい
    答えと解説

    正解:3 周囲に人がいないか確かめ、警笛を鳴らしてから後進する

    後進するときは、特に周囲に人がいないことを確かめ、警笛を鳴らしてから行います。誘導者がいる場合は、その指示に従います。警笛を鳴らしただけで確認を省いてはなりません。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 8.1 安全運転の心得 2 ⑦(p.99)

  8. 問16ブル・ドーザーで溝を埋め戻すときの近づき方として、補助教材が示すものはどれか。

    1. 溝に斜めの向きから近づき、土を流し込んで埋め戻す
    2. 溝と平行に走り、クローラを溝の縁に乗せて土を落とす
    3. 溝に直角に近づき、ブレードが溝をまたぐまで進む
    4. 溝の中にいったん降りて、底から土を押し上げる
    答えと解説

    正解:1 溝に斜めの向きから近づき、土を流し込んで埋め戻す

    補助教材は、ブル・ドーザーで溝を埋め戻すときは、溝に対して斜めに近づき、ブレードの土を溝へ落とし込むように埋め戻し、埋め戻した土は十分に締め固めるとしています。溝と平行に縁を走る、直角に近づいてまたぐ、溝の中に降りる、といった方法は示されていません。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 6.1.1 3 ③埋戻し作業(p.52)

  9. 問17切羽面が自立するような山をトラクター・ショベルで掘削するときの注意として、正しいものはどれか。

    1. 下の方から深く掘り込み、上の土を自然に落とす
    2. 切羽の真下に機械を止め、崩れた土を待って積む
    3. すかし掘りにならないよう、山の上方から順に掘削する
    4. 山の中央を奥まで掘り進め、両側は後から崩す
    答えと解説

    正解:3 すかし掘りにならないよう、山の上方から順に掘削する

    切羽がほぼ垂直に立つような山では、下の方ばかり掘ると上がひさしのように張り出した「すかし掘り」になりやすいです。そうなりそうなときは、上の方から順に掘り下げます。すかし掘りでは張り出した土の塊が急に崩れ落ち、機械や人を巻き込むおそれがあります。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 6.1.2 a)掘削作業 エ(p.58)

運転に必要な一般的事項の問題(7問)

  1. 問18地山の土60立方メートルを掘削し、ダンプトラックで運び出す。土量の変化率Lを1.20、ダンプトラック1台に積めるほぐした土の量を6立方メートルとすると、運搬は何台分になるか。

    1. 10台分
    2. 12台分
    3. 14台分
    4. 72台分
    答えと解説

    正解:2 12台分

    掘り起こすと土はほぐれて体積が増えます。ほぐした土量=地山の土量×L=60×1.20=72 m³。72÷6=12台分。10台分はLを掛け忘れた値、72台分はほぐした土量をそのまま台数とした誤りです。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.1.2 土 7 土量の変化(L・C、表10-5)(p.114)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  2. 問19掘削現場で見られる次の現象のうち、土砂崩壊の徴候とはいえないものはどれか。

    1. のり肩の近くの地面に、亀裂や陥没が生じている
    2. 掘削したのり面から、小さな崩れが起きている
    3. 掘削面やのり肩に、亀裂や崩れなどの変化が見られない
    4. 土止め支保工の部材がはらんだり、きしんだりしている
    答えと解説

    正解:3 掘削面やのり肩に、亀裂や崩れなどの変化が見られない

    崩壊の前には、崩れる面の亀裂や陥没、掘削面の小さな崩れ、木の根が切れる音、岩の場合の異常な音、支保工の部材のはらみやきしみなどの徴候が見られることが多くあります。表面に変化がないことは徴候ではありません。なお、のり肩はのり面の上の端、のり尻はのり面の下の端をいいます(補助教材 図10-9)。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.2 3 崩壊の徴候(p.118)/厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.3 土木施工法等(図10-9 のり切りオープンカット工法の例:のり肩・のり尻)(p.119)

  3. 問20手掘りにより、岩盤又は堅い粘土からなる地山以外の「その他の地山」(砂からなる地山や発破等で崩壊しやすい状態の地山を除く)を掘削する。掘削面の高さが5メートル以上のとき、掘削面のこう配は何度以下としなければならないか。

    1. 60度
    2. 75度
    3. 90度
    4. 45度
    答えと解説

    正解:1 60度

    安衛則第356条の表では、その他の地山は、掘削面の高さ2 m未満で90度以下、2 m以上5 m未満で75度以下、5 m以上で60度以下とされています。補助教材は、機械で掘削する場合もこの基準を参考にするよう求めています。

    根拠:労働安全衛生規則 第356条第1項/厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.2 1 土砂崩壊の原因(表10-7 掘削面のこう配と高さの基準)(p.115)

  4. 問21最大静止摩擦力についての説明として、正しいものはどれか。

    1. 接触している面が広いほど、それに比例して大きくなる
    2. 垂直力には関係せず、物体の形だけで決まる
    3. 物体の材質や接触面の状態には関係しない
    4. 垂直力に比例し、接触している面の広さには関係しない
    答えと解説

    正解:4 垂直力に比例し、接触している面の広さには関係しない

    最大静止摩擦力は、摩擦係数(μ)×垂直力で表され、垂直力と接触面の状態(材質やあらさ)によって決まり、接触面の大きさには関係しません。面が広いほど大きくなる、物体の形だけで決まる、といった考えは誤りです。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 9.3.4 摩擦(最大静止摩擦力=μ×垂直力)(p.108)

  5. 問22ドラグラインやクラムシェルで、バケットを急に巻き上げたり、動いているバケットを急に止めたりすると、ワイヤロープが切れることがある。その理由として、正しいものはどれか。

    1. 急に巻き上げると、バケットと中の土の質量そのものが大きくなるから
    2. 慣性のため、速さを急に変えるほどロープに大きな力がかかるから
    3. 動いている物体には慣性が働かないので、ロープが急に緩むから
    4. 急に止めると、遠心力が消えてロープが内側へ引かれるから
    答えと解説

    正解:2 慣性のため、速さを急に変えるほどロープに大きな力がかかるから

    物体には、止まっていれば止まり続け、動いていれば動き続けようとする性質(慣性)があります。速さや向きを変えるには外から力が要り、変え方が急なほど、また物体が重いほど大きな力が必要になります。そのため急な巻上げや急停止では、ロープに衝撃的な大きな力がかかって切れることがあります。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 9.3.2 慣性(p.106)

  6. 問23斜面やのり面の崩壊についての説明として、補助教材の記述に合うものはどれか。

    1. 必ず平らな面に沿って崩れ、晴天が長く続いた後に起きやすい
    2. 崩れる面は土の種類に関係なく、いつも同じ形になる
    3. すべり面は多くが曲面で、大雨の後に起きやすい
    4. 直立したのり面は、ゆるい斜面よりも崩れにくい
    答えと解説

    正解:3 すべり面は多くが曲面で、大雨の後に起きやすい

    斜面やのり面の崩壊は、斜面に沿ったある面(すべり面・崩壊面)で起き、その面は多くの場合曲面です。土の種類によってすべり面の形も変わり、大雨の後に起きやすいです。直立したのり面は、斜面よりも崩壊が起きやすいです。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.2 2 崩壊の形態 ①②(p.116)

  7. 問24土のでき方についての説明として、補助教材の記述に合うものはどれか。

    1. 岩石が風化したものや、水や風で運ばれて積もったものなどがある
    2. 土はすべて火山灰が固まったもので、岩石の風化とは関係がない
    3. 土は地下深くで溶けた岩石が冷えて固まったものだけをいう
    4. 土は粒だけでできていて、すき間に水や空気を含むことはない
    答えと解説

    正解:1 岩石が風化したものや、水や風で運ばれて積もったものなどがある

    補助教材は、土は岩石が風化して細かい粒になったもの、侵食された後に風や水で運ばれて積もったもの、植物が腐って集まったもの、火山灰などが積もったものなどからできるとしています。また、土は土粒子と、そのすき間(間げき)の水・空気からなります。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.1.2 土 1 土の種類(p.111)/厚生労働省 技能講習補助教材(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)) 10.1.2 土 2 土の構成(図10-4)(p.112)

関係法令の問題(6問)

  1. 問25機体重量4トンのドラグ・ショベル(いわゆるバックホウ)を、事業場の中で運転する業務に就くことができる者として、正しいものはどれか。

    1. 機体重量3トン未満の車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育だけを修了した者
    2. 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習を修了した者
    3. 最大積載量1トン以上の不整地運搬車の運転技能講習だけを修了した者
    4. 最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転技能講習だけを修了した者
    答えと解説

    正解:2 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習を修了した者

    施行令第20条第12号は、機体重量3トン以上の別表第7第1号・第2号・第3号・第6号の建設機械(動力を用い、不特定の場所に自走できるもの)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)を就業制限の業務としています。ドラグ・ショベルは別表第7第2号(掘削用機械)に当たるので、安衛則第41条・別表第3により、この技能講習の修了者などでなければ就けません。特別教育は3トン未満の機械のためのもの(安衛則第36条第9号)です。

    根拠:労働安全衛生法施行令 第20条第12号/労働安全衛生法施行令 別表第7/労働安全衛生規則 第41条・別表第3

  2. 問26施行令別表第7で「整地・運搬・積込み用機械」として掲げられているものはどれか。

    1. クラムシェル
    2. くい打機
    3. スクレーパー
    4. ローラー
    答えと解説

    正解:3 スクレーパー

    施行令別表第7第1号(整地・運搬・積込み用機械)には、ブル・ドーザー、モーター・グレーダー、トラクター・ショベル、ずり積機、スクレーパー、スクレープ・ドーザーなどが掲げられています。クラムシェルは第2号(掘削用機械)、くい打機は第3号(基礎工事用機械)、ローラーは第4号(締固め用機械)です。

    根拠:労働安全衛生法施行令 別表第7

  3. 問27車両系建設機械の装備と、それを備えることを定めている規定の組合せとして、正しいものはどれか。

    1. 前照灯 ― 構造規格第13条
    2. 警報装置 ― 安衛則第152条
    3. 方向指示器 ― 安衛則第153条
    4. 前照灯 ― 安衛則第152条
    答えと解説

    正解:4 前照灯 ― 安衛則第152条

    前照灯は、安衛則第152条で事業者が車両系建設機械に備えなければならないとされています(作業を安全に行うため必要な照度が保持されている場所で使う機械は除く)。車両系建設機械構造規格には前照灯の条はなく、第12条が方向指示器、第13条が警報装置を定めています。安衛則第153条はヘッドガードの規定です。

    根拠:労働安全衛生規則 第152条/労働安全衛生規則 第153条/車両系建設機械構造規格(昭和47年労働省告示第150号) 第12条/車両系建設機械構造規格(昭和47年労働省告示第150号) 第13条

  4. 問28車両系建設機械を用いて作業を行うとき、事業者があらかじめ行わなければならないこととして、正しいものはどれか。

    1. 作業場所の地形・地質などを調べ、その結果を記録しておく
    2. 作業場所の調査は、作業が終わってからまとめて行い記録する
    3. 作業場所の調査は運転者に任せ、事業者は結果を記録しなくてよい
    4. 作業場所の調査は、地山を掘削する作業のときにだけ行えばよい
    答えと解説

    正解:1 作業場所の地形・地質などを調べ、その結果を記録しておく

    安衛則第154条は、事業者は車両系建設機械を用いて作業を行うときは、機械の転落、地山の崩壊等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ作業場所の地形、地質の状態等を調査し、その結果を記録しておかなければならないとしています。

    根拠:労働安全衛生規則 第154条

  5. 問29車両系建設機械を用いて作業を行うとき、転倒や作業装置の破壊による危険を防ぐため、安衛則第163条で事業者が守らなければならないとされているものはどれか。

    1. 運転者がその日の手応えで決めた作業の限度
    2. 同じ大きさの他社の機械に定められた最大荷重
    3. 作業を早く終えるために事業者が決めた作業量
    4. 構造上定められた安定度や最大使用荷重等
    答えと解説

    正解:4 構造上定められた安定度や最大使用荷重等

    安衛則第163条は、車両系建設機械を用いて作業を行うときは、転倒やブーム・アーム等の作業装置の破壊による危険を防ぐため、その機械の構造上定められた安定度、最大使用荷重等を守らなければならないとしています。運転者の感覚や他の機械の数値で決めるものではありません。

    根拠:労働安全衛生規則 第163条

  6. 問30施行令第20条第12号で、機体重量3トン以上で、動力を用い不特定の場所に自走できるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)が技能講習の修了などの資格を必要とする業務とされている建設機械は、別表第7のどの号に掲げるものか。

    1. 第1号・第2号だけ
    2. 第1号から第6号までの全部の号
    3. 第1号・第2号・第3号・第6号
    4. 第2号・第4号・第5号
    答えと解説

    正解:3 第1号・第2号・第3号・第6号

    施行令第20条第12号は、機体重量3トン以上の別表第7第1号(整地・運搬・積込み用)、第2号(掘削用)、第3号(基礎工事用)、第6号(解体用)の建設機械で、動力を用い不特定の場所に自走できるものの運転を就業制限の業務としています。第4号(締固め用)と第5号(コンクリート打設用)は含まれません。第4号の機械の運転は安衛則第36条第10号、第5号の機械の作業装置の操作は同条第10号の2の特別教育の対象です。

    根拠:労働安全衛生法施行令 第20条第12号/労働安全衛生法施行令 別表第7/労働安全衛生規則 第36条第10号・第10号の2

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