車両系建設機械の作業計画と誘導者の決まり:調査から合図まで、作業の前にやること

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運転する人から見ると、作業計画は事業者が作るもので遠い話に見えます。ただ、第155条第3項で運行経路と作業の方法は周知される決まりです。朝礼で聞く話の元が、この条文です。

作業の前の順番

労働安全衛生規則の条文を、やる順に並べました。

順番 やること 主な中身 条文
1 調査と記録 転落や地山の崩壊を防ぐため、地形・地質の状態などを調べて記録する 第154条
2 作業計画 調査に合わせて計画を立て、計画どおり作業する 第155条第1項
3 周知 運行経路と作業の方法を関係労働者に伝える 第155条第3項
4 制限速度 地形・地質に応じた速度を定める 第156条
5 経路の手当て 路肩の崩壊防止、地盤の不同沈下の防止、幅員の保持など 第157条第1項
6 誘導者と合図 必要な場所に誘導者を置き、一定の合図を決める 第157条第2項、第158条、第159条
7 作業開始前の点検 その日の作業の前にブレーキとクラッチの機能を点検する 第170条

作業計画に入れる3つ

第155条第2項が挙げているのは次の3つです。

  1. 使用する車両系建設機械の種類と能力
  2. 運行経路
  3. 作業の方法

周知の対象は2と3です。運転する人は、計画で決まった経路と違う動きをするときに勝手に判断せず、責任者に確かめます。

制限速度に数字はない

第156条に具体的な数字はありません。事業者が場所に応じて定め、運転者はそれを超えて運転してはいけません(第2項)。最高速度が毎時10キロメートル以下の機械は対象外です。

誘導者が要る2つの場面

誘導者が出てくる条文は2つあって、理由が違います。

比べる点 転倒・転落の防止 接触の防止
条文 第157条第2項 第158条第1項
場面 路肩、傾斜地などで、転倒・転落の危険があるとき 運転中の機械に接触する危険のある箇所
事業者がすること 誘導者を配置して誘導させる 立入りを禁止する。誘導者を配置して誘導させるときは、この限りでない
運転者の義務 誘導に従う 誘導に従う

第158条の対象は、現在の条文では「作業に従事する作業従事者」です。自分の会社の労働者だけではなく、同じ場所で作業する人を含む書き方です。禁止は、見やすい箇所に表示するなどの方法で行います。

合図の決まり

誘導者を置くときは、一定の合図を決めて行わせます(第159条第1項)。運転者は合図に従います(第2項)。

技能講習補助教材の8.2節は、合図者や誘導者は責任者が指名した特定の人とし、作業の前に打ち合わせること、合図がはっきりしないときはいったん止めて確かめることを挙げています。

シートベルトと搭乗の決まり

計画と一緒に覚えておきたい条文です。

  • 路肩、傾斜地などでは、転倒時保護構造とシートベルトのある機械を使うように努め、運転者にシートベルトを使わせるように努める(第157条の2)
  • 乗車席以外の箇所に作業従事者を乗せてはならない(第162条)
  • 構造上定められた安定度、最大使用荷重などを守る(第163条)
  • 運転位置から離れるときは作業装置を下ろし、原動機を止め、ブレーキをかけるなどして逸走を防ぐ(第160条)

まとめ

  • 調査と記録のあとに作業計画。運行経路と作業の方法は周知する
  • 制限速度の数字は現場ごとに事業者が定める
  • 誘導者の条文は転落防止と接触防止の2つ
  • 誘導者を置くときは一定の合図を決める
  • 法令の問題は無料の練習問題で確かめられる

よくある質問

作業計画に書くことは何ですか?
安衛則第155条第2項の3つです。使用する機械の種類と能力、運行経路、作業の方法です。運行経路と作業の方法は関係労働者に周知します。
誘導者を置かなければならないのはどんなときですか?
路肩や傾斜地などで転倒・転落の危険があるとき(第157条第2項)です。接触の危険がある箇所への立入りを禁止しない場合にも、誘導者を配置して誘導させます(第158条第1項ただし書)。
制限速度は何キロと決まっていますか?
数字は法令にありません。安衛則第156条は、最高速度が毎時10キロメートル以下の機械を除き、地形や地質の状態に応じた適正な制限速度を事業者が定めるとしています。
誘導者に資格は必要ですか?
安衛則の第157条〜第159条に誘導者の資格の定めはありません。補助教材は、責任者が指名した特定の人が行うものとしています。